掲載日2016年2月19日
本市教育センターの長期派遣研修生(第2期生)による「大分市教育センター研修生等研修報告会」を行いました。
教科等に関する研究では、安部 純子教諭(大分市立東陽中学校)が「国語科における論理的に思考し表現する能力の育成~三角ロジックを活用した意見文の指導を通して~」について報告しました。主張、事実、理由づけの三角ロジックを活用して論理的に思考し表現する力を培う学習のステップが、授業実践を通して示されるとともに、論理的思考力を系統的に高めていく必要性も報告されました。論理的に思考し表現する力は子どもたちに「思考力、判断力、表現力」につながる重要な要素であり、大変意義のある研究報告でした。
特別支援教育に関する研究では、神田 幸教諭(大分市立稙田東中学校)が「特別な教育的支援を要する児童生徒の能力と配慮点を踏まえた自立活動の展開~国際生活機能分類(ICF)を活用した実態把握を通して~」について報告しました。自立活動を行う上で、的確な実態把握と指導・支援との結びつきの重要であること、また、今後活用が期待されるICFという新たな視点を取り入れることにより、子どもの状態を的確に捉え、実態に即したより効果的な指導・支援の在り方が検証されたことは教育研究として意義ある報告でした。
不登校対応対策に関する研究では、後藤 啓子教諭(大分市立滝尾中学校)が、「子どもの『居場所づくり』『絆づくり』を目指した支援の在り方~集団活動とストレスマネジメントの授業実践を通して ~」について報告しました。集団活動の授業とストレスマネジメントの授業を組み合わせることが、不登校の子ども、不登校でない子どもにも一様に効果が見られました。ストレスマネジメントの授業実践が具体的に示されており、学校はもちろん研修等にも活かせる研究として意義深い報告でした。
最後に、三浦享二教育長から3名の研修生に、「日常の教育実践の中に問いをもつことで仮説が生まれ、その仮説に基づいて実践を繰り返す中で成果や課題が見えてくるという教育研究が行われたことがよく分かる報告でありました。この3人の研究成果を引き継いで研究する教員がでてくれば、大分市の教育はさらに充実していくと思います。1年間の研修した成果をそれぞれの所属校はもちろん、あらゆる機会をとらえて積極的に還元するとともに、来年度も自校での教育実践を充実していってもらいたい。」と講評をいただきました。